アカハツタケ、マスタケ、ワタゲナラタケ、天然キノコづくしのイタリア料理を食べた話

食べる

先月、お誘いいただき、京王井の頭線沿線の池ノ上駅近くにあるイタリア料理のお店「ぺぺロッソ」に行ってきました。

こちらでは旬の珍しい食材を使った料理が食べられます。以前はカラスのスープやヌートリアの肉入りのトルテリーニというラビオリに似た料理をいただきました。今回は、時期ということで、キノコづくし。

きのこは、岡山県のキノコハンターの方によって採取されたものだそうです。思い返せば、祖母から子供時代に山できのこを採っていたと思い出話を聞いたことがありました。キノコの場所は親兄弟にも教えないと。そんな山の宝のきのこですが、確かにきのこは旨味が濃くて美味しいです。特に天然きのこは味が濃く、以前天然のしめじを食べた時に旨味の強さに舌が痺れる経験をしたほど。

クロフマイタケのフリット

香ばしい!

アミューズでいただいたのがクロフマイタケのフリット。衣に発酵パンが使われ、しかもイヌハッカと檜の葉の粉末が振りかけられている凝りよう。

揚げたクロフマイタケの食感は、その旨味と相まって貝のようです。ホッキガイやミルガイのような。山の貝といった趣です。

クロフマイタケ。調理前のきのこも見せていただきました

マスタケと熟成ヒラメ、熟成松川カレイのマリネ

色彩が美しい

まるで絵画のような色彩に目を奪われたのが次の料理、マスタケと白身魚のマリネです。白身魚はヒラメとカレイ、ピスタチオととうもろこし、発酵させた大根のソースで鮮やかな色合いです。奥のヒラメの方にはわかるように四葉のクローバーがあしらわれています。

手前のカレイには虹鱒の腹子が添えられ、さらに鮮やか。虹鱒の腹子はイクラよりも小さく、弾ける食感が良いです。

マスタケは、漢字で書くと鱒茸。鱒の肉に似たサーモンピンク色をしていることからその名がついたそうです。そんな謂れのあるマスタケに虹鱒の腹子をのせるのはおしゃれな演出。

そして、肝心のマスタケはというと、子供の頃に、木の枝を齧ったような食感でした。まるで木の皮を食べているような。サルノコシカケを食べたらこんな味だろうなと想像できる味です。マスタケはサルノコシカケ科だそうです。珍しい食感、木の味でした。好みの問題もあるでしょうが、私はあまり美味しく感じませんでした。

見た目も木の味がしそうなマスタケ

ワタゲナラタケ入りトリッパ・アッラ・ロマーナ

唇で切れそうなほど柔らかいトリッパ

次は、トリッパ・アッラ・ロマーナ。ローマ風トリッパのトマト煮込みに天然きのこのワタゲナラタケが入っています。ワタゲナラタケは美味しい。ペコリーノロマーノがどっさり入って濃厚ですが、ミントが添えてあって後味がさっぱりします。

ワタゲナラタケらしい

海のカルボナーラと山の幸

色鮮やか!!

とびこのオレンジが美しいパスタは、カルボナーラ・ディ・マーレ。マーレは海の意で、魚介を使ったカルボナーラです。初めて食べました。魚介が豊かなイタリアのプーリア州の料理だとお店の方に教えていただきました。手練りのルカティーニは思ったよりも歯応えがあり、プリプリしていました。

この海のカルボナーラのソースは筋子とマルサラ酒。具はマイカとハタケシメジ。中央に畑しめじが鎮座しています。とびこ2種がふんだんに盛られ、色鮮やかな海軍団の中に突如闖入している山のもの。異端な感じがあります。合うのかなぁと疑いつつ食べましたが、それが合いました。活躍する場所を選ばないきのこの働きぶりは素晴らしいもの。海の味に出張しても、上手く周りに調和し、それでいて旨味を失わず、良いところをアピールできる模様。俳優で言えば名脇役。たらこパスタにしめじの具が合うことからもわかります。

名バイプレイヤーの実力派

アカハツタケとうなぎのパスタ

存在感のあるきのこ

パスタ二皿目はアカハツタケ、うなぎの丸ごと使ったソースでした。うなぎの味が素晴らしく濃厚で香ばしく、マカロニのように中が空洞になったパスタによく合っていました。そして、アカハツタケ。ハツタケは以前、このお店に誘ってくださった永田洋子さんとご一緒したペンションきのこで食べたことがありました。その時も美味しいと思ったけれど、やはり美味しいきのこです。それに、うなぎと天然きのこに、イタリアンってなかなかない組み合わせです。

メインの豚肩ロースのスモーク

メインは豚の形のテラコッタでスモークされた肩ロースでした。このテラコッタが可愛らしく、目と鼻に空いた穴から煙が吹き出します。添えられた野菜は鈴カボチャ。コリンキーに食感が似ていました。

ソースに再びきのこ。アミタケが使われていました。

豚のテラコッタ型スモーク器
傘裏が特徴的なアミタケ

ドルチェの苦味、甘いパネットーネ

思ったよりも苦い!!

ドルチェ①は、季節の果物あけびでした。上にのっている純白の薄いものは、スウィートトリュフです。そして、このあけびが思った以上に苦い!目が覚めるような苦さでした。苦くて辛いレベル。私は割と苦味があるものが、モノによっては苦手で、魚の内臓の苦さは平気なのですが、アロエのような苦味がダメです。人によってはアロエの刺激で胃腸を悪くしてしまうこともあるのだとか。私には辛い苦さでした。

苦味はさておき、トリュフもきのこですので、ドルチェまでもがきのこづくしだったのです。

クリスマスの時期には欠かせないらしいイタリアの焼き菓子

ドルチェ②は、クリスマスの時期に欠かせないイタリアの郷土料理的焼き菓子というパネットーネ。カスタードにマルサラワインなどを入れたザバイオーネと共にいただくのだそうですが、このザバイオーネが甘いです。でも、今回のザバイオーネは以前よりさっぱりとして、パネットーネの口当たりも軽く、ふわふわで、パンと柔らかいパイとシフォンケーキを足して割ったような食感でした。

天然きのこづくしのイタリア料理を食べ終えて

焼きたて天然酵母のパン二種類

色々な天然きのこの料理をいただき、サルマタケのモデルになったキノコを食べたこと、そして長野県峰の原のペンションきのこでの食事を思い出しました。ぺぺロッソにお誘いいただいた永田洋子さんに、ペンションきのこも誘っていただきました。夕食はペンションきのこ特製の天然きのこたっぷりの鍋で、憧れのタマゴタケを食べたことが思い出深いです。

そして今回食べた、食べたことのない種類のきのこ。特に木の味がしたマスタケ。あまり美味しくないと思ったのに最も印象が深いです。旨さを味わうのも不味さ(合わないという意味で)を味わうのも経験ですから、不味さもまた旨さのひとつで、食の旅ができて嬉しく思います。ごちそうさまでした。

お店でご紹介いただいたのですが、誠文堂新光社から『クリスマスの発酵菓子シュトレン・パネットーネ・クグロフ』という本が出ていて、そこにお店のパネットーネのページがあります。

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