世界最大にして寄生植物のラフレシア。そのラフレシアが自生する場所の一つ。マレーシア・ボルネオ島サラワク州北西部にあるグヌンガディン国立公園を訪れました。
クチン市街地からの行き方
グヌンガディン国立公園は、クチン市街地から西へ80kmほど移動した場所にあります。車での所用時間は2時間弱。公園までの道はよく整備されていて、悪路はなく、スムーズに行くことができました。公園内に入るには事前登録する必要があり、旅行前にパスポート番号と生年月日を伝えていました。
グヌンガディン国立公園入り口
入り口まで舗装路が続き、車で入ることができました。
公園内を散策する前にレクチャー
公園事務所で車から降り、公園のガイドと合流し、引率して貰います。今回は女性のガイドの方。散策前に、入り口の掲示板前で、ここに自生するラフレシアについての説明を受けました。
ラフレシアの特徴
なんといっても面白いのは、ラフレシアが根も茎も葉もない、花と寄生器官のみの全寄生植物ということです。ブドウ科の植物の蔓に寄生して育ちます。
花が咲くまでに時間がかかり、蕾からおよそ8〜9ヶ月もの長い年月がかかるとのこと。咲くまでにそれほどの時間のかかるラフレシアですが、花の寿命は6〜7日ほどです。
ボルネオ島に自生するラフレシア
ラフレシア属は41種が確認され、東南アジアに分布しています。
内8種類(Rafflesia arnoldii, R. cantleyi, R. hasseltii, R. keithii, R. keriii, R. pricei, R. tengku-adlinii, R. tuan-mudae)がボルネオ島に自生します。
グヌンガディン国立公園に自生するラフレシア
ここで見られるラフレシアは、その内のトゥアンムダエ(Rafflesia tuan-mudae)。最大種のアーノルディーに比べ小型で、花の直径が50〜80センチほどになります。
公園内の様子
入り口付近は石畳などの道が整備され、歩きやすい道です。時折雑木林に入りますが、ほとんどが登山道に沿ったところを案内して貰いました。軽いハイキングの装備で全く問題のない道です。この後激しいスコールに見舞われたので、レインウェアや雨具はあった方が良いですが。
ラフレシアの蕾
至るところにラフレシアの蕾がありました。雨や虫の侵入、寄生した環境により蕾ができても開花に至る確率は低いのだそうです。
枯死したラフレシアの花
同じように終わったラフレシアの花も見ることができました。中の柱状体も残っていて、かろうじてラフレシアの花だと判別できる姿のものもありました。
ラフレシアの花
この時(2023年12月)には、残念ながら開花したラフレシアを見ることはできませんでした。2010年7月にグヌンガディン国立公園を訪れた時には見ることができました。が、この時は幸運だったのでしょう。
ラフレシアの花の匂いと質感
花からは腐肉臭がしました。スタペリアなどのガガイモの花に似た匂いです。匂いに誘われて、ハエが花の内側へ出入りしていたのが印象に残っています。
花弁は厚くプラスチックのような質感で、無機物のようで違和感がありました。初めは悪趣味なオブジェが置いてあるのだと錯覚したほどです。
グヌンガディン国立公園で出会った生物、植物
公園内にはラフレシア以外にも興味深い植物や虫と出会うことができました。
テングビワハゴロモ
頭上の突起、カラーデザインがなんとも言えずおしゃれで可愛らしい虫です。丸山宗利さんの『神秘の昆虫 ビワハゴロモ図鑑』を見て憧れていた存在なので、実際に見ることができて感激でした。実物を見て、思ったよりも大きいサイズ感に戸惑いました。ツマグロヨコバイほどのサイズをイメージしていたのですが、2〜3倍は大きかったです。
トラクターヤスデ
体長15センチは超えるであろう大きなヤスデがいました。装甲車のようなかっこいいデザインのボディでした。
威嚇するトカゲ
石畳の上にいたトカゲ。逃げもせずに威嚇するかのようにじっと見つめ、口を開いていました。森の王様のような胆力と威厳です。
グヌンガディン国立公園のきのこ
きのこもところどころで見かけました。
コンニャク
Amorphophallus(コンニャク)の仲間の葉が道沿いに生えているのを数多く見かけました。機会あればここで花を見てみたいです。
グヌンガディン国立公園の情報
住所 94500 Lundu, Sarawak.
TEL +6082735144
時間 8:00 am to 5:00 pm