【ボルネオ秘境】マリアウベイスン探訪記⑦|豪雨の山小屋で迎えた2日目 ― 夜の森と生き物たちと人の狂宴

旅とフィールドワーク

20名の別グループが到着 ― 山小屋は一気に混乱へ

「食堂の確保に付き合ってください。人海戦術でいかないと負けます」

ヴィーチの群落地を堪能して、夕方に山小屋(ネペンテスキャンプ)に戻った時。ツアーリーダーの橋場さんが決意を漲らせた表情で言いました。

理由を聞くと、別のグループが到着して、食堂の席の取り合いに発展する可能性があるのだとか。そういえば山小屋に着いた時に妙に人が多くなっていたので、ポーターが増えたのかと勘違いしていました。

食堂を巡る静かな争奪戦

本日到着のグループは20人ほど。

橋場さんは彼らに食堂を占拠され、食事を取れなくなる事態を真剣に危惧していたのでした。

日本の山小屋に泊まったことがなく、ましてや海外の山小屋も初めてで、どのようになるのか全く予想ができません。

シャワーもトイレも長蛇の列 ― 山小屋のインフラ崩壊

とりあえず、群落地見学で汗ダクになっていたので、シャワー室に向かいました。しかし、昨日までとは打って変わって、シャワー室、トイレの前に大行列ができていたのでした。圧倒的不足!

その後、食堂の席の確保のために長椅子に座ると、別グループの人たちも座り、椅子取りゲームの様相に。しばらく無言の牽制が続きました。

現地ガイドのゲイリーさんと別のグループの代表が話し合い、時間を決めて交代することになり、平和的解決と相成りました。

SNSで集まった“国際混成チーム”との出会い

ちなみに彼らはfacebookで企画し、各国から集まった多国籍混合チームだそうです。お互いに会うのは初めてらしく。

facebookで秘境メンバーが集まる時代

SNSの募集型オフ会に参加したことはありますが、この手のツアーもあるとは驚嘆です。

まぁ、私たちも初対面の人がいるのでたいして変わりはないですが。

突如のスコール ― テント倒壊と避難する宿泊者たち

facebookチームの食事が終わり、交代した頃。突然のスコールに見舞われました。

二階の物干しに干していた服に気づき回収に走りましたが、服はとっくにずぶ濡れ。万事休すでした。

激しいスコールはやむ様子もなく、野営を決め込んでいた人たちのテントが倒壊し、右往左往する様子も見受けられました。行き場がないので、全員が食堂に身を寄せて食堂が芋洗い状態に。

満員電車のような食堂、甘いコーヒーと蒸し暑さ

辺境の地で満員電車のような混み具合を感じようとは思いも寄りませんでした。街から離れた場所なのに密集地帯!

ひといきれで蒸す食堂。雨宿りのほかすることもなく、雨水を沸かした湯で淹れたコーヒーを飲み談笑しました。

インスタントコーヒーであらかじめ砂糖が入っていて、限りなく甘いです。その甘さが疲れた体に染み渡りました。

雨夜の訪問者たち ― 翡翠のセミと奇妙な昆虫たち

日が落ちてもなお雨が降り続きます。雨音が聞こえるのみで暗闇の中、山小屋の光を求めて、多くの来訪者がありました。

虫です。

翡翠色に輝くセミ

外の闇から急に現れた翡翠色のセミ。作り物かと思うほどの色です。こんなに美しいセミを初めて見ました。

平べったいゴキブリもいた

雨夜のコメツキムシ遊びと夜の昆虫観察

コメツキムシは仰向けにすると音をたてて飛び跳ね、自らの力でひっくり返り元に戻る習性を持っています。

安間先生がコメツキムシの生態を教えてくださった後。

「コメツキムシを誰がコップに入れられるか勝負しよう」

と、少年のような表情で言われました。順番にコメツキムシ遊びに興じていましたが、虫好きの面々が「痛ましい」とコメツキムシに憐れみを寄せ、終了になりました。

タイガーリーチ吸血実験 ― 生物学徒の狂気と熱気

facebookグループが食堂の隅で、ボルネオ固有のヒル「タイガーリーチ」に自らの血を吸わせる実験を行っていました。その様子を仲間が逐一撮影しています。もしかしてYoutuber?

こちらのツアーメンバー、特に虫嫌いな人はとても嫌がって「見ないようにしよう」と怒りの様子。

私は興味津々で見ずにはいられません。すると、彼らから「一緒に来て写真に撮りなよ」と指名を受けました。

タイガーリーチは初見。しかも吸血の様子を間近に見られるなんて僥倖です。

聞くところによると生物学を専攻しているヒル研究者とのこと。ヒルマニアでもあるのでしょう。

ヒル研究者の男性は、吸血されながら恍惚の表情を浮かべ、「このトリコロールがビューティフルだと思わないか」と、タイガーリーチの魅力を熱く語るのでした。

強まる雨、迫る不安 ― 明日の下山は大丈夫か

ヒル騒ぎが一段落する頃、雨足は徐々に強くなり、翌日の下山が危ぶまれました。登りも急斜面でやっとの思いで登ったのに、雨の中降りられるものなのか大変な不安でした。

濡れた衣類と冷え込む夜 ― 2日目の山小屋の現実

前日と同様に、二階の相部屋で寝ました。部屋は男部屋と女部屋に分かれ、二段ベッドの上下で寝ていました。

私たちは寝床の確保ができましたが、床に寝る人、食堂にハンモックを吊って寝る人たちも出ました。

雨により徐々に冷え込み、寝る頃には亜熱帯と思えないほどの寒さになりました。

ベッドの中でダウンベストを着てシュラフに入ってちょうどいいくらい。

消灯は10時で明かりが消えてしまうので、ベッドサイドにヘッドランプを置いておきました。少し明かりが欲しい時にヘッドランプは使いやすいです。災害時にも使い勝手がいいのではと思いました。

やまない雨の音を聴きながら、シュラフの暖かさにホッとしていると、いつの間にか眠くなり夢の世界へ。

整理されていなくて恐縮ですが寝床です。ベッドの上にシュラフ、水筒、メガネケース、腕時計、ピルポーチなど。蚊帳に虫除けのファンをぶら下げています。手前はザックとバッグ。ダニの温床になったマリンシューズ。

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