5年前にネイチャーツアーで登山した三ツ峠山にソロで行こうと思い立ち、6月17日に行ってきました。その時の体験レポートです。
三ツ峠山(三つ峠)とは
三ツ峠山(三つ峠)は開運山(1785m)、御巣鷹山(1775m)、木無山(1732m)の三つの山の総称。山梨県都留市、西桂町、富士河口湖町の境に位置します。一般的には、最も標高の高い開運山が三ツ峠山と呼ばれています。日本二百名山に選出。奈良時代から修験道の霊山とされてきました。そして希少なランが自生することでも有名な山です。
最寄り駅前•アクセス
三ツ峠山への最寄駅は二つ。富士急行線河口湖駅と三つ峠駅です。登るコースによって異なります。
登山コース
登山コースは三つのコース。富士急行のサイトにわかりやすいルートマップが紹介されています
- 三つ峠駅からグリーンセンター→八十八大師→屏風岩→四季楽園・三ツ峠山荘→山頂
- 河口湖駅→バス→登山口バス停→四季楽園・三ツ峠山荘→山頂
- 河口湖駅→(ロープウェイ)天上山→木無山→四季楽園・三ツ峠山荘→山頂
もしくは登山口バス停まで車でアクセスする方法もあります。バス停から山頂へ向かう途中に駐車場がありました。(西川新倉林道脇駐車場•県営駐車場)
私は、撮影に時間が取れるよう、登りはもっとも難易度が低く、所要時間の短い河口湖駅からバスで登山口まで行くコースを選びました。下りは木無山→天上山からロープウェイに出る縦走コースに。
満員のバスに揺られて登山道入り口


今回は、横浜線橋本駅から高速バスで河口湖駅まで行きました。車内が空いていて快適。


途中の富士急ハイランドでほぼ降りました。ところが、途中事故時渋滞に巻き込まれ、余裕を持った時間帯にしたはずが、40分も遅れ。1日1本しか運行していないバス停の時間に間に合うかどうかの時刻に突入。間に合わなければコースを変えるまでですが、急遽の計画変更には不安があります。
なんとか発車時刻ぎりぎりに到着。駅前のバスロータリーは各方面に行く人で賑わい、混雑で、どの行列がどこのバス停に並んでいるのかよくわからない状態でした。周りの人に聞きながら最後尾に並び、満員状態で乗りました。5番乗り場から9:50発の天下茶屋行きです。
ちなみに座ることは出来ず立った状態。
バス停までの道は蛇行してカーブが多く、体が持っていかれそうになり、立って乗るのは大変でした。
三ツ峠登山口から三つ峠山荘まで




バス停から、駐車場を経由して舗装された緩やかな道が続きます。


しばらくは緩やかな登り道。途中から急登になります。とはいえ、歩きやすい道です。










思いも寄らない三ツ峠山荘での出会い


植物の写真を撮りながら三つ峠山荘に到着。標準コースタイム通り、1時間半で着きました。登山道は木漏れ日が差す林道だったのが、山荘付近から一気に視界が開けます。富士山が綺麗に見えました。




山頂の日差しは強く気温は高い


この日気温は高く、外気温は28℃くらい。登り始めは涼しかったのが、視界が開けると太陽に照らされて、暑く感じました。今回は素通りする予定だった三つ峠山荘。入り口に200円で水筒に給水しますと貼り紙がされていたので、それならばと中に入りました。
嘘みたいな再会
すると、2018年に三つ峠山に来た時にガイドをしてくださったHさんが山荘の受付に立たれていました。こんなところで再会しようとは。ご挨拶したところ、Hさんも驚かれていました。しかも、この日が山荘のお手伝いの初日だったようで、こんな偶然があるなんて本当に驚きです。
2018年に来た時は泊まりで、お風呂と食事もいただきました。この時ご一緒したメンバーは、私よりもずっと年上の方が多かったのですが、皆さんとても健脚。世界中のネイチャーツアーに行った話を聞きました。A型肝炎で入院した話もこの時に聞き、失礼ながら、お淑やかでそういう風には見えない人にも冒険譚はあるのだとしみじみと思いました。


強い日差しに照らされながらの昼食
水筒に給水させてもらい、Hさんと別れを告げ、昼食を取る予定の場所へ。三つ峠山荘の奥に広いスペースがあり、ベンチが並んでいます。ここで昼食を取る予定でした。ここで昼食にしている人は多く、コンロで料理してラーメンを食べていたり、お弁当を食べたりしていました。




遮るものは何もなく直射日光に炙られながらの食事。朝、最寄駅で買っていったおにぎり2個。具が梅干しの方は何ともなかったのですが、肉味噌の方が全体的に酸味を帯びていました。
三つ峠山荘前から見える開運山山頂•屏風岩


ここからは開運山の山頂付近がよく見え、恐らくロッククライミングの練習場となっている屏風岩が見えました。画像では見ていたのですが、実際に見ると「あそこを!」と思うような岩場です。


植物観察をしながら山頂へ
昼食を終えて、目当ての植物観察へと向かいます。四季楽園を通り過ぎ、御巣鷹山方面に行き、植物を観察して、山頂へ。






もう一つの山小屋四季楽園の前に休憩所がありました(利用料100円)こちらで食事をするのも良さそうです。


三ツ峠山に咲く季節の花
三つ峠は高山植物、山野草が多いことで有名です。この時期にも多くの希少な植物の花が咲いていました。日没までに下山しなくてはと思うものの、撮影にどうしても時間をかけたくなってしまいました。
カモメラン






ミヤマキンポウゲ


花に光沢があり、光を反射してよく目立っていました。
ミヤマカラマツ


線香花火のような細長い花弁が繊細で美しいです。
クサタチバナ






高い位置に何箇所か咲いているのが見えました。
ツルシロカネソウ


マイヅルソウ


フタリシズカ


沢山生えていたためにかえって余り写真を撮れなかったフタリシズカ。もっと撮れば良かったです。
ナツトウダイ


ユニークな形のナツトウダイ。


ヤマツツジ


アツモリソウは見頃過ぎ
残念ながらアツモリソウ、キバナノアツモリソウは見頃を過ぎていました。5年前に見た時は6月19日とこの日より遅かったのですが、今年は咲くのが早かったようです。




三つ峠(開運山)山頂に到着


12:50山頂到着。植物観察と撮影に時間をかけてしまったので、山頂に到着した時にはいい時間になっていました。
この日はよく晴れて、山頂の標識に後光が差しているかのよう。山頂付近は狭く、次々と登山客が来るのでのんびりはできませんでした。


下山開始 天上山縦走コース
再び山頂から降りながら植物観察。まだ見足りませんでしたが、13:30といい時間なので下山開始します。下りは、木無山から府戸尾根を伝って天上山へと降りるコースを選択。天上山まで降りたらロープウェイで河口湖駅まで行く予定で。
母の白滝コースへの分岐がありますが、天上山コース(6.5km)を選択。








最初は緩やかな道が長く続きます。多少細いのですが、歩きやすい道でした。ガイドにもこのコースは歩きやすいと書かれていて、途中まではその通りだと思いました。
まだ終わらない延々と続く尾根道
それが延々と続く府戸尾根。ほぼ人の姿がなく、こっちで本当に合っているのか不安になりながら降りていきました。途中で高齢の女性3人組に高速で抜かされていき、合っていたことに安堵。同時に、駅の階段のように軽々と岩場を降りていった姿に驚きました。
途中、ガレていて歩きにくいところもあり。倒木も幾箇所かあり、潜ったり、跨いだりして越えていきました。




登山道での揉め事
すれ違う人もない道を延々と降りていると、下の方から登ってくる人がいました。元気よく登ってくる男性と後から登ってくる女性。二人とも二十代くらい。この時間から山頂に行くのは泊まりかなと思い、挨拶すると女性の方が帽子を目深に被ってしまい。不思議に思っていると、女性が「もう登りたくない」と男性に泣きながら怒り始め、男性が宥めている様子でした。その声を背に降りていると、ものすごいスピードで男性が降りてきました。追いかけるように女性も。降りることにしたようで、追い抜かれていきました。
木無山から鉄塔へ


ゴロゴロとした道を降り終えると、道が次第に緩やかになり、鉄塔のある場所に出ました。そこから富士山よく見え、河口湖も眺めることができました。






霜山から天上山への登り返し


鉄塔に到着したのが15:50。降りるのに時間がかかってしまいました。暗くなってきたので、ここでスピードを上げます。霜山を越えて、長く狭い緩やかな下り道をひたすら小走りに降りていきました。
一旦車道に出て、天上山への登り返し。ここに来ての急坂や階段は心がもげそうに。ようやく16:20に天上山小御嶽神社に到着。ここで初めてベンチに座り、休憩をしました。




天上山辺りから軽装の観光の人が一気に増えました。メマトイが多く、目の中に羽虫が入ってくるのが気になりました。天上山小御嶽神社から歩いてすぐのロープウェイ乗り場から、ロープウェイを使って降り、河口湖駅へ。河口湖駅から18時発の高速バスに乗って帰りました。乗った途端に眠りに落ち、起きた時には降車駅近くという気絶するような快適なバス旅でした。
三ツ峠山を登った感想
目当ての野性蘭を見られて良かったです。アツモリソウ、キバナノアツモリソウが見頃を過ぎてしまっていたのが残念でした。天上山縦走コースは思ったより長く感じ、もう一度歩いてみたいと思いつつも、母の白滝コースや八十八大師を通る三つ峠駅に出るコースも気になりました。紅葉の時期など、季節を変えて、今回下ったコースを逆に登るのも良さそうです。
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