都心からアクセスが良く、登山初心者でも気軽に楽しめることから人気の高尾山。登山道では四季折々の植物を観察することができます。
初夏の花を見に、高尾山へハイキングしてきました。そのレポートをします。
高尾山で野生のセッコク(石斛)を見る
初夏の高尾山といえば、セッコク。人気の高い蘭です。初めて高尾山で野生のセッコクを見た時には、その数、華やかさ、野趣に富んだ姿に感激しました。ぜひ開花に合わせて登山したいものです。
セッコクを見ることができるのは、1号路、6号路。人の手で植えられたものを清滝駅と高尾山駅を結ぶケーブルカー改札内で見ることができます。今回は、他の野生蘭も見るために、6号路→3号路に寄り道→高尾山駅→清滝駅→1号路と周りました。
高尾山6号路の着生したセッコク
6号路へは、山の中腹まで行くケーブルカーの清滝駅を左側に入り、そのまま進むと入り口が見えてきます。なだらかな斜面が続く、歩きごたえのある登山道で、人気の高い道です。沢沿いに登山道があり、途中で川や沢に降りられるところもあります。
飛び石エリアまで行く前に、登山道から、離れた場所にある杉の木に着生した見事なセッコクの群生を見ることができます。
高尾山の野生のセッコクの群生は見事。セッコクのツリーと表現されることもあります。これを見ると、来た甲斐があったと心から思います。
休日は混み合い、セッコクの群生の場所は道が狭いため、時間をかけて撮影することはできません。見るときにはくれぐれも滑落にお気をつけください。
清滝駅、高尾山駅のセッコク
野生のものではありませんが、ケーブルカー清滝駅、高尾山駅の駅構内の木に着生したセッコクを見ることができます。こちらも大株で見事。野生の株と両方見たいものです。
ケーブルカーを利用すると間近で見ることができますが、利用しなくても、見学の案内があり、観察することができます。
高尾山で見る野生植物の花
セッコクの時期には、他の野生植物の花が咲いているところも見ることができます。
サイハイラン(采配蘭)の花
同じ時期にサイハイラン(Cremastra appendiculata var. variabilis)の花が1号路、3号路など、多くの場所で咲いているのが散見されます。サイハイランは采配に似ていることから名付けられましたが、名前の由来通りに独特な花の形が目を惹きます。
ムヨウランの花
無葉蘭(ムヨウラン)と、その名が表す通り、葉がなく、葉緑素を持たない菌従属栄養植物。探さなければわからない、地味で儚い草姿ですが、そこになんともいえない侘び寂びがあり、好ましい蘭です。
ギンリョウソウの花
同じく菌従属栄養植物の仲間。幽霊茸(ユウレイタケ)の異名を持つ、幽玄な美を備える植物。白く透き通る草姿は、きのこと植物の間の存在のように感じます。まさに彼岸を思わせる、ギンリョウソウやムヨウランはもののあはれを感じさせる植物!大好きです。
イナモリソウの花
可憐な花が目を惹くイナモリソウ。3号路に群生しているのを見かけます。花の切れ込みが細くなったホシザキイナモリソウも近くに咲いていることがあります。
タツナミソウの花
高尾山でタツナミソウの花も多く見られます。
ユキノシタの花
盆栽の下草にも使われるユキノシタ。この時期には花が見られます。壁面に育つユキノシタが、一斉に花芽を伸ばして咲く姿は、清廉で、涼しげに見えます。
ハンショウヅルの花
6号路のフェンス辺りで見られるハンショウヅルの花。俯いて咲くベル型の花が目を惹きます。
おまけのアオダイショウ
3号路で見かけたアオダイショウ。悠々と去っていきました。