【食虫植物】マリアウベイスン探訪記⑩コリバス

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タンブナン・セブンロッジの朝食

ボルネオ旅行最終日。登山の疲れからか快眠で、朝早くに目が覚め、ホテルの周りを散歩しました。南国の朝は気持ちがいいです。昨日大いに飲んでいたWさんも早くから野鳥を撮りに飛び回っていました。見習いたい元気さです。

散歩した後は食堂に朝食を取りに行きました。この食堂改めて見るとライブステージのよう。朝食はビュッフェで、食パンにハムソーセージ目玉焼き、チリビーンズの洋食とシンプルなメニューでした。ホテルで出る食パンがトーストではないのが気になります。トースターもなく、そのまま食べるのが好まれているのでしょうか。

Kipandi Butterfly Park(キパンディ・バタフライパーク)

キパンディバタフライパークにて

セブンロッジを発ち、再び車で移動します。植物ガイドの方と合流するためにキパンディ・バタフライパークへ。休憩所にある展示(?)の虫かごに入っていた虫が珍しく、皆で撮影。ローウィーの捕虫袋の展示もあり。マリアウベイスンの奥地にはローウィーも自生しているらしく、見てみたかったです。

ハナビラカマキリの仲間
大きいヤスデはコイルのよう
ローウィーの捕虫袋も飾ってあった。周りを蝋で固めているようにしっかりしている。温度計には日本語の表記が

険しい崖を越え、野生のコリバスを観察

立つのもやっとな急斜面に生えている

キパンディフラワーパークからさらに車で移動。

車道から山に入り、斜面を登りコリバスポイントへと向かいます。それほど険しい道のりではないと聞いていたので、車中に登山グローブを残していきました。が、すぐに後悔しました。足元が滑りやすく、まともに立てないほどの急斜面で、バランスを崩してしまいます。枝や蔓につかまろうとしても、細かな棘が生えていたりと、掴む手が痛みます。登山グローブの大切さをここにきて痛感しました。

大した道のりではないというのは、地元の植物ガイドの方のお話であって、山に慣れていない身としては十分に厳しい道のりでした。

ヘルメットオーキッド Corybas pictus

corubus pictus 萼片がヘルメットのようなユニークな形

ここの標高は1300メートルほどと聞きました。

激しい斜面の中腹にコリバスポイントはありました。野生のコリバス・ピクタス。ホテイランを初めて見た時にも感じましたが、写真で見てイメージしていたよりも小さいです。そして、小さい中にぎゅっと凝縮された複雑な造形。均整が取れた美しい形です。なぜ、こんなにも完成されたデザインなのか。

著書『不可思議プランツ図鑑』(絵は横山拓彦さん)にも書いたコリバス。写真や栽培品は見ていました。この地で野生のものを初めて見て、完成された美と植物が持つオーラに圧倒されました。

生まれて初めて見たマレージャコウネコも美しかった。ヴィーチも美しかった。そしてコリバスも。そこで生きているだけで何故こんなにも美しい姿で、こちらの心を揺さぶるのでしょうか。

コリバスが生えている場所にウツボカズラも自生していました。

Nepenthes fuscaと思われる

貴婦人のスリッパことパフィオペディルム

場所を移動して、パフィオペディルムが自生する場所へ。野生のパフィオ、初めて見ました。

かつて唐澤耕司さんの『世界ラン紀行』を読み、蘭の自生地ってこんな感じなんだと思い浮かべていました。それを見ることができるとは。人生は不思議です。

パフィオが自生している場所にサンヨウベニボタルがいました。虫好きの面々が大喜び。毒々しくも素敵なデザイン。

雌の生体で生殖器がある

クロッカーレンジパークNepenthes Rhododendron Garden

コリバスの山を降りてまた移動します。最後の見学地、クロッカーレンジのネペンテス ロードデンドロンガーデンへ。

地面が苔むしていて滑りやすく、注意が必要でした。

ウツボカズラの花

ここではネペンテス・テンタキュラタとフスカを多く見ることができました。セロジネの仲間かな。春蘭のような形の蘭、名前がわからない野生蘭も見かけました。